Shelter
地震で崩壊した瓦礫に閉じ込められ動けなくなった時、どんな心理状態になるんだろうか?そんな思いがこのインスタレーションのきっかけとなった。最初段ボール箱を積み上げて骨組みなしで構築した。暗い中に入ると隙間から外の光を感じ取ることができる。外は見えないが、その光は希望や憧れなど自分を高揚させてくれるベクトルにつながるのかも知れない。 国立国展(2008年白矢アートスペース:小平市)
Shelter Ⅱ
直方体の箱に入り仰向けに横たわって見上げると人間の廃棄物(発泡スチロールやプラスチックなど)が迫っている。次第に明るくなってくると柔らかい光が差し込んでくる。波の音と銃弾の音が交互に響き、鑑賞者は安らぎと不安を感じ取ることができる。搬出の際には私自身が廃棄物に埋もれながら脱出するという即興のパフォーマンスを行なった。 2009年デザインフェスタ参加作品(東京ビックサイト)
Shelter Ⅲ
大島はテングサの産地でもある。暑くなってくると海辺の道路などに広げられている光景があちこちで見られる。ある時窓辺に積み上げたテングサに内包される光の美しさに魅了された。漁協で紅いテングサを仕入れ展示会場の屋上で干して脱色した。テングサの繊維は鋭く絡み合いかたまりを拡張していく。ドーム型に積み上げ中に入ると誰も体験したことがない柔らかく神秘的な光に包まれることになる。アートアイランズTOKYO2012国際現代美術展(旧波浮小学校)参加作品。
ShelterⅣ
いわき市田人で開催されたART MEETING2016〜田人の森にあそぶ〜で実現できたインスタレーション。キャプション「すでに安全な場所は無くなった。束の間であっても、避難所(shelter)で心安らかに過ごせますように!」
ShelterⅤ
アートアイランズTOKYO2016国際現代美術展参加 旧波浮小学校の屋上で展開したインスタレーション。キャプション「海辺に打ち上げられたテングサを天日で乾燥させると、私にとって魅力的な美しい構造を持つ素材へと変身した。野外でこの素材性を保つためにパック詰となった。中に入ると隙間から見える大島の空、少し前に展示した福島の空と違って見えたのは何故だろう?もはや私たちが逃げ込む場所(シェルター)はどこにも存在しない。たとえ恐怖の中に封印されようと全ての命の輝きに変わりはない。」