緊急事態宣言中だが、いつものように生活している。しかし、散歩の時にすれ違う人の目に今まで以上の敵対心を感じることが多い。ソーシャルディスタンスのお題目は人間同士の分断を増長させているように感じる。
今取り組んでいる作品制作では、鉄線をねじる作業をひたすら繰り返している。中心から周辺に向かって空間を拡充していくにつれ、中心部は遥か彼方に閉じ込められ見えていても届かない場所になっていく。向こう側に見える風景も霞んで見え、実体が怪しくなる。制作(作業)をしながらディスタンス(距離)について思いを巡らしている。
人間関係においてお互いの距離感は大事だ。適度な距離感はお互いの心地良さを生む。しかしソーシャルディスタンスを言われ始めてから、今まで感じたことがない途方もない距離が人間同士にできてしまったような気がする。