香川県高松市にある塩江病院の庭で長さ17mほどのインスタレーションを展開した。作品越しにバス停があり、日常の風景が流れる。この場での23日間に及ぶ制作は貴重な体験となった。病院従事者や患者をはじめ、道ゆく色々な人生に触れることができた。毎日繰り返される周りの日常と呼応しながら鉄線を編んでいったような気がする。当初、タイトルはMATRIX(生成する場所)だったが、止めどなく渦巻き続けた想念の軌跡に思えてきたので「想念の庭」になった。
鉄線は一雨ごとに錆びて鮮やかに輝いたあと茶褐色に向かい、やがて朽ち落ちて大地へと還っていく。そして、日常の風景を生と死の大きな自然のサイクルに重ね合わせていく。
かがわ・山なみ芸術祭2022 SIONOEは6月26日まで高松市の塩江温泉周辺で開催しています。詳しくはホームページをご覧ください。http://www.monohouse.org/yamanami/