COVID–19の感染が広がり作品発表の場がことごとくなくなった。たえず新たな発表を求めていたベクトルは内側に向かわざるをえなくなった。そこで少しずつ切り開かれていった裏庭でインスタレーションを展開することにした。
今回のアートアイランズ国際現代美術展は作家が来島して制作するという態勢がとれないということで、web上での展示・プレゼン発表という形で現在も進行中。今の状況では新しい形として当然かも知れないが、私としてはなるべく以前と変わらない形での作品制作に戻りたいという気持ちが強く、自宅の裏庭で作品を制作することにした。
長く続く不穏な社会で外出も自粛してきた人々は内省的になっていると思う。そのことが自分の住んでいる場所や周辺を見つめ直すきっかけともなっている。日常性が新たな景色として立ち現れる可能性がある。この場所に移り住んだ頃の初心に帰り、自分の内側から新たな外側へのベクトルが生まれるようにしていきたい。